3つの療法について

1理学療法

『寝返る、起き上がる、立ち上がる、歩く』基本となる動作の改善を目指します。

理学療法とは病気、けが、高齢、障害などによって運動機能が低下した状態にある人々に対し、『寝返る、起き上がる、立ち上がる、歩く』などの日常生活を行う上で基本となる動作の改善を目指します。 『関節可動域の拡大、筋力強化、麻痺の回復、痛みの軽減』など運動機能に直接働きかける治療法から、『動作練習、歩行練習』などの能力向上を目指す治療法まで、 動作改善に必要な技術を用い日常生活の自立を目指します。

対象となる疾患

・中枢神経疾患
 脳卒中、パーキンソン病、脊髄損傷、脳の外傷など

・整形外科疾患
 手足・脊椎の骨折、変形性関節症など

・呼吸器疾患
 慢性閉塞性肺疾患、肺炎など

理学療法の目的・プログラム例

・運動麻痺の回復を図る
・筋力の強化を図る
・関節や筋肉の柔軟性向上を図る
・呼吸が楽になる
・寝返り・起き上がり動作訓練
・座位訓練
・立ち上がり動作訓練歩行訓練
・痛みに対する治療 など

2作業療法

『その人らしい生活』、『暮らしやすさ』を目指します。

作業療法の『作業』とは、『食事、服の着替え、トイレ、入浴、余暇活動』など人の日常生活に関わる『すべての諸活動』を指します。
作業療法では、基本的な運動能力から、社会の中に適応する能力まで『その人なりの、その人らしい生活』を『作業』を通じて作っていきます。生活していくために必要な能力の開発や手段の獲得を通じて、『暮らしやすさ』を取り戻す、作り出すための支援をします。

対象となる疾患

・腕や指先の運動麻痺の回復を図る
・関節や筋肉の柔軟性向上を図る
・食事動作の訓練
・呼吸が楽になる
・箸の操作やボタンの止め外し等の訓練
・精神面の安定を図る
・腕や手指などの筋力の強化を図る
・自室ベッド上での起き上がり訓練
・トイレへ移る訓練
・生活しやすいように環境を整える
・創作的な活動、余暇活動の援助

作業療法士が、お一人お一人の症状に合わせたリハビリプログラムを行います。

認知症の方が抱えている不安やその原因をとらえ、傾聴を主体としたコミュニケーションや環境の調整を通し、可能な限りストレスを取り除けるよう支援します。
なじみのある作業(昔趣味でやっていた編み物や工作など)や楽しみの提供、運動を兼ねたレクリエーション等をしてもらうことで不安の軽減や精神の安定を図っていきます。作業療法では、その人にとって意味のある活動を一緒に考えます。その活動を通して『自己実現』や『生活の質』の向上を目指します。

3言語療法

『コミュニケーション』や『食べる障害』に対応します。

言語療法とは私たちが日常生活を送る上で欠かすことのできない下記の内容を対象とします。

対象となる疾患

・聞こえの障害
・話が理解できない・文字が読めない(失語症)
・上手く話せない(構音障害)
・上手に噛めない・上手く飲み込めない(摂食・嚥下障害)
・記憶の障害・注意力や集中力の低下(高次脳機能障害)

言語療法では、問題の本質や発症の原因を明らかにし、障害のある方がよりよい生活を送ることができるよう個別の訓練や支援を行います。

『コミュニケーション障害』について

「コミュニケーション障害」は単なる『会話の難しさ』だけではないと感じています。 自分の思いや訴えをきちんと伝えられない悲しさや悔しさ、相手の言葉が理解できない戸惑い、状況が理解できない不安、人との関わりが上手くいかないことで孤立感や自信の喪失へとつながるかもしれません。 我々が感じている以上に多くの悩みや精神的負担へつながっているものだと感じています。

私たち言語聴覚士はそういったお気持ちにできるだけ寄り添い、傾聴する姿勢や伝えたいことをくみ取ろうとする姿勢を忘れず患者様・ご利用者様がリラックスできる居心地の良い空間・関係づくりを心掛けています。

患者様・ご利用者様それぞれの症状・重症度に合わせ、適切な個別の訓練や生活場面での支援を行っていきます。

具体的な症状

・言葉が出にくい、思い出せない
・書きたい言葉を思い出せない
・呂律がまわらない
・聞き返すことが多い
・物の名前を正しく思い出せない
・聞いた言葉の意味を理解することができない
・話し方がたどたどしい
・いい間違いが多い
・自発的な言葉が少ない
・話す気がなくなる

『食べる障害』について

「摂食・嚥下障害」の症状はさまざまです。一口一口の飲み込みが難しく、むせることも多くなり、食事そのものが疲れやすさにつながる場合もあります。食事を苦痛なものと感じ『食べる喜び』も失われてしまいます。誤嚥によって、食べ物等が気管(肺)に入っておこす肺炎、食事量の低下(低栄養)による体力・免疫力の低下等を引き起こす恐れもあります。

具体的な症状

・むせることが多い
・痰が多い
・飲み込みに時間がかかる
・一口ごとに数回飲み込む
・食事の後に声が変わる
・口の中の食べかすが多い
・食事中に疲れやすい
・食事量の低下(低栄養)

※食べ物を噛んだり、飲み込んだりできない状態を「摂食・嚥下障害」といいます。

言語聴覚士の具体的な関わり

・嚥下状態・食事の評価
・嚥下訓練
・口腔機能訓練
・食事の観察
(聴診器による嚥下状態の確認、飲み込みやすい姿勢の検討)
・適切な食事摂取の仕方の検討
・適切な介助方法
(ひと口の摂取量・口へ運ぶタイミングなど)の検討
・食形態、水分『とろみ』の程度を検討
・口腔ケア(口腔内衛生を保つ)

いずれも主治医の指示、多職種との協働にて実施しています。

『気持ちを相手に伝える』、『食事を安全に楽しむ』いずれも人間の生活にとってとても大切なことです。

当院は平成17年より言語聴覚療法を開設し、積極的な言語聴覚士の介入に取り組んできました。近年『言語障害・嚥下障害』に対するリハビリのお問い合わせやご希望も増えています。

『気持ちを伝える・表現できる』、『安全に口から食べることができる』、そしてその状況がいつまでも続いていくことがとても大切であると同時にご本人様ご家族様にとっての大きな喜びであることを強く感じています。

お一人お一人の症状・状態に合わせ必要な個別訓練・生活場面における支援を行っています。

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