理学療法とは病気、けが、高齢、障害などによって運動機能が低下した状態にある人々に対し、『寝返る、起き上がる、立ち上がる、歩く』などの日常生活を行う上で基本となる動作の改善を目指します。
『関節可動域の拡大、筋力強化、麻痺の回復、痛みの軽減』など運動機能に直接働きかける治療法から、『動作練習、歩行練習』などの能力向上を目指す治療法まで、 動作改善に必要な技術を用い日常生活の自立を目指します。
作業療法の『作業』とは、『食事、服の着替え、トイレ、入浴、余暇活動』など人の日常生活に関わる『すべての諸活動』を指します。
作業療法では、基本的な運動能力から、社会の中に適応する能力まで『その人なりの、その人らしい生活』を『作業』を通じて作っていきます。生活していくために必要な能力の開発や手段の獲得を通じて、『暮らしやすさ』を取り戻す、作り出すための支援をします。
認知症の方が抱えている不安やその原因をとらえ、傾聴を主体としたコミュニケーションや環境の調整を通し、可能な限りストレスを取り除けるよう支援します。
なじみのある作業(昔趣味でやっていた編み物や工作など)や楽しみの提供、運動を兼ねたレクリエーション等をしてもらうことで不安の軽減や精神の安定を図っていきます。作業療法では、その人にとって意味のある活動を一緒に考えます。その活動を通して『自己実現』や『生活の質』の向上を目指します。
言語療法とは私たちが日常生活を送る上で欠かすことのできない下記の内容を対症とします。
言語療法では、問題の本質や発現メカニズムを明らかにし、障害のある方がよりよい生活を送ることができるよう個別の訓練や支援を行います。
「コミュニケーション障害」は単なる『会話の難しさ』だけではないと感じています。
自分の思いや訴えをきちんと伝えられない悲しさや悔しさ、相手の言葉が理解できない戸惑い、状況が理解できない不安、人との関わりが上手くいかないことで孤立感や自信の喪失へとつながるかもしれません。 我々が感じている以上に多くの悩みや精神的負担へつながっているものだと感じています。
私たち言語聴覚士はそういったお気持ちにできるだけ寄り添い、傾聴する姿勢や伝えたいことをくみ取ろうとする姿勢を忘れず患者様がリラックスできる居心地の良い空間・関係づくりを心掛けています。
患者様それぞれの症状・重症度に合わせ、適切な個別の訓練や生活場面での支援を行っていきます。
※食べ物を噛んだり、飲み込んだりできない状態を「摂食・嚥下障害」といいます。
「摂食・嚥下障害」の症状はさまざまです。一口一口の飲み込みが難しく、むせることも多くなり、食事そのものが疲れやすさにつながる場合もあります。食事を苦痛なものと感じ『食べる喜び』も失われてしまいます。誤嚥によって、食べ物等が気管(肺)に入っておこす肺炎、食事量の低下(低栄養)による体力・免疫力の低下等を引き起こす恐れもあります。
いずれも主治医の指示、多職種との協働にて実施しています。
当院は平成17年より言語聴覚療法を開設し、積極的な言語聴覚士の介入に取り組んできました。近年『言語障害・嚥下障害』に対するリハビリのお問い合わせやご希望が増えています。私たちは多くの患者様やご家族と関わらせていただきました。
当院は療養型の病院です。療養型の病院であるからこそ『気持ちを伝える・表現できる』、『安全に口から食べることができる』、そしてその状況がいつまでも続いていくことがとても大切であると同時に患者様やご家族にとって大きな喜びであることを感じています。
言語聴覚士3名の体制で、患者様お一人お一人の症状・状態に合わせ必要な個別の訓練・生活場面における支援を行っていきます。